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No.5 アルツハイマー病の治療を巡る話題

浴風会病院精神科診療部長 須貝 佑一

2.痴呆症をめぐる誤解

 痴呆治療を考える時に知っておかなければならないことは「痴呆症」「老年痴呆症」「アルツハイマー型痴呆」の言葉の使い分けです。一般に流布している誤解は「老年痴呆」と「アルツハイマー型痴呆」または「アルツハイマー病」は別なものという誤解です。痴呆を持ったお年寄りを連れて受診に訪れる家族に「アルツハイマー病です」と告げると「えっ、うちのおじいちゃんは老年痴呆じゃなかったんですか」と愕然とするようです。老年痴呆とアルツハイマー病は前者が症状、後者が病名なのです。つまり、老年者で痴呆を呈する病気はたくさんありますが、それはみな「老人痴呆」と総称します。「老年痴呆」と言っただけでは高齢者が痴呆になっている、ということを意味するだけなのです。

  しかし、カルテ上でも診断書上でも病名としてまかり通っていることから余計混乱します。実は多種多様な疾患が「老年痴呆」を起こしていることを知っている必要があるのです。そのうちでも約60%以上をアルツハイマー病が占め、30%前後を脳血管型痴呆が占めています。その他の疾患が10%という割合に「老年痴呆」が構成されています。


3.新しい痴呆疾患の発見

1.家族の思い
2.痴呆症をめぐる誤解
3.新しい痴呆疾患の発見
4.アミロイドカスケード(滝流れ)仮説
5.痴呆症の治療戦略
6.物忘れと精神症状
7.痴呆症を治療する意味

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