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No.2 長時間の時間外労働と自殺
〜過労自殺について〜

東邦大学佐倉病院精神神経医学研究室 黒木宣夫
イラスト 佐藤ゆみこ


II.精神疾患の労災補償状況の年次推移

現在までの精神疾患の労災補償状況2)については図1のとおりである。

1983年から2006年までの24年間に精神疾患に係わる労災請求件数は3594件(自殺1071件)であり、平成18年度の請求件数は819件( 自殺請求176件)で、四分の一(205件)が認定されており、自殺の認定は66件であった。最近の労災請求の特徴は、精神障害請求件数が一直線上に急増しており、自殺請求件数を大きく上回っている点であり、2005年度(127件)に比べ全体の認定件数は61%増加した。業種別では、製造業(38件)、医療・福祉(27件)、運輸業、卸小売業(各20件)が多く、年齢層別では、30歳代(83)が全体の40%で、20歳代(38)を含めると59%を占め、比較的若い層が仕事の重圧や職場の人間関係に悩んでいる実情がうかがえる。

III.過労自殺の労災認定に関して

I.はじめに
II.精神疾患の労災補償状況の年次推移
III.過労自殺の労災認定に関して
IV.長時間の時間外労働と自殺
V.家族、職場が気づいた自殺の兆候
VI.労働者の心の健康の保持増進のための施策
VII.今後の課題

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