ごあいさつ
公益財団法人 日本精神衛生会 理事長 加藤進昌

日本精神衛生会の源流にはいくつかの流れがありますが、東京大学精神病学教室第3代教授である呉秀三先生の夫人皆子氏が、大隈重信早稲田大学総長の妻である綾子氏とともに設立した「精神病者慈善救治会」(1902)がもっとも古いものです。その後日本全体が戦時体制に収斂していき、戦後の再出発を迎えて1950年に今の組織になりました。
精神科診療が次第に体系化していくにつれて、かつて同じ組織の一部であった団体は、たとえば日本精神科病院協会などは民間精神科病院の集合体になるなど、職能団体として構成員の利益を代表する組織になっていきました。精神衛生会でもかつては研修会や講習会を組織していたようですが、今日ではそれは各職能団体に代替されるようになっているように思います。
日本精神衛生会はより広く、精神保健の啓蒙活動などに注力してきました。そういった活動には医師以外の代表も加わった本会はより適切であったと思われます。一方で特定の職能を代表しないがために、会員がこのような組織を維持発展させていく契機が弱いという側面も同時に持っていたように思います。雑誌「心と社会」の定期購読者数は漸減して、今日ではもはや会自体の自然消滅までもが視野に入る現状になっています。
こういった現状を鑑みて、何が出来るか、特定の職能に限定しないこの組織でなければできない活動は何かをこれから模索していきたいと思います。わが国の精神保健活動の発展に尽力された諸先輩の足跡を未来につなぐために、みなさまのご参加、ご協力をお願い申し上げます。
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