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男の子は女の子の心と身体を知らなすぎる、女は男の心と身体を知らなすぎる、というのが性教育の現場にいて自分自身を含めて思うことです。
男女一緒に性の話ができたらいいな……と思っています。機会あるごとに一緒に話し合ってみることにしています。おたがいに“よかった!”という感想が聞かれます。
- きちんとした知識を持つことがどんなに大事かといつも思っています。
- 照れないで、恥ずかしがらないで、茶化さないで相手の知識と能力にあうように話すことがポイントです。
- 興味本位にならないで、差別的にならないでと思うとつい緊張して固くなってしますし、大人だって悩みはつきません。
- わからないことが起きたら、すぐ誰かに聞くことにしています。誰かとは、思春期の性について本を書いている人、思春期の性の相談をしている人、思春期のためのクリニックを開いている人などさまざまです。
人の性の問題に関わるということは、人の人生に関わることであり、どんなに勉強しても、一人の人間が知り得るほど簡単なものではないと、しみじみ思います。
どんなことを聞かれても あわてない
どんなものを見ても あせらない
どんな結果になっても あきらめない
これが、子どもの性の問題に関わるコツです。テレビでも雑誌でも、そしてインターネットでも、親の知らないところで、子どもたちはさまざまな情報を仕入れてきます。時には汚染されていたり、誤解していたりもします。性に対する考え方は子どもばかりでなく大人だって個人差があり、時には考えていることとすることの間に大きな差があります。
立派な筈の人が、新聞やテレビに性の問題で登場することもあります。
人の意識と行動、つまり性意識と性行動は時にかけ離れ、正反対のこともあるというなかで、子どもたちはどんどん成長していきます。学校で先生に習う前に、どこでどうおぼえるのか“性”と“金銭”に関することは思いがけないことを知っていたり、知らなかったりするものです。思春期だけでなく、大人も同じです。
長い人生だから10代にあったことで、一生が台無しになってしまうというようなことだけは言わないでほしいのです。どんな人の生涯にも一つや二つ思い出したくない、人に言われたくないようなことがあると思うのですが……。そしてそれは、性と金銭に関わることが多いように思うのですが……。わたしだけのことなのでしょうか。
5つの“あ”を大切に
あいしているよ
あわてないよ
あせらないよ
あきらめないよ
あんしんしていていいよ
