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浴風会病院精神科診療部長 須貝 佑一 3.新しい痴呆疾患の発見 ここ10数年来のことですが、アルツハイマー病と思われていたものの中に体の動きが悪くなり歩行も小股になっていくパーキンソン症状を伴った痴呆がけっこう混じっていることが気づかれるようになりました。多くは発病当初から幻覚や妄想が出没します。脳を調べるとアルツハイマー病の病理学的変化のほかにレビー小体と呼ぶ異常な細胞封入体があちこちでみられます。こうした病理学的変化と痴呆症、パーキンソン症状、幻覚妄想という特異な症状をあわせ持つ痴呆症がアルツハイマー病の中に混じっていることがわかってレビー小体型痴呆と呼ぶようになりました。最初の発見から一つの痴呆疾患として国際的にも認められるまでに約20年以上かかりました。これも老年痴呆ですが、これまで見過ごされていたのです。経過が比較的早く、薬に敏感で副作用が出やすいなどの問題があり、正確な臨床診断が求められる老年痴呆の一種です。 1.家族の思い |
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