種智院大学教授 小澤 勲
6.老いるということ
老年期は、新たな状況に適応する力が弱まったときに、避けがたく激しい変化にみまわれるのですから、困難に満ちた時期であるということは確かなことのように思われます。
また、老いるということは、先にも述べたように、人の手を借りて生きるということでもあります。だからこそ、よい人の手が必要なのです。これがありさえすれば、困難な老年期も、痴呆という難病を抱えても、生き生きと暮らせる可能性は開けてくるはずです。
老いても、ぼけても安心して暮らせる社会はきっとだれにとっても優しい社会ではないでしょうか。
1.高齢者は心のゆらぎを行動として表現する
2.若年期幻覚妄想状態
3.うつ病を基盤にした妄想
4.痴呆性老人の妄想
5.高齢者の脆弱性
6.老いるということ