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No.8 子ども虐待と家族支援

東京都児童相談センター治療指導課長 犬塚峰子


虐待の社会問題化-子どもの人権という観点から

 子どもは、家庭という生活の場で親との深い情緒的なやり取りの中で、安心感や信頼感や「自分はかけがえのない存在」という自己肯定感を育み、それを基盤に成長していきます。しかしすべての子どもが親から適切に育てられるわけではなく、親の誤った子育てのために心のよりどころを築きえず、心身の成長や人格形成を深く阻害されてしまう子どもたちがいます。この現象はいつの時代にも普遍的に存在していましたが、社会が親の不適切で有害な子育てを虐待と名づけて介入し始めたのは、子どもの人権という意識が浸透していった20世紀に入ってからです。日本においてはさらに遅れ、社会的関心が高まったのはこの20年ほどですが、急速に発見や支援のシステムが構築されつつあり、平成16年度には児童相談所で扱うケース数は33408件に上り、この14年間で約30倍になっています。この増加については、必ずしも虐待の絶対数が増えたことによるわけではなく、子どもに関わる大人の意識が高まることにより、児童相談所への通報が増加したことが大きな要因となっているのではないかと推察されています。

子ども虐待とは

虐待の社会問題化-子どもの人権という観点から
子ども虐待とは
虐待を生じさせる家族の要因
虐待問題を抱える家族への支援
おわりに

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