![]() |
|||||||
NPO法人わかば代表
前向きに仕事をするための心得介護の職場は発展途上です。職員の質向上に努力し、地域の介護力を上げる積極的な経営をしている事業所から、職員に過重な仕事を任せて休暇も取れないような事業所までいろいろあります。後者の場合は、早く転職することを勧めます。ある程度楽しく仕事をできる職場にいるならば、それは運がいいと思って下さい。給料、休暇、研修などすべての面ですぐれた事業所は今の制度下では存在し得ないのが現状です。前向きに仕事に取り組むために以下のことをお勧めします。 1)自分自身を介護の専門家に育てることを目標とする所属する職場によらず、学べることはたくさんあるはずです。施設系ならば排泄介助、入浴介助、食事介助などの介助技術を高めるチャンスです。また、個々の利用者についてチームプレーで仕事をしますので、連携のコツを学んで下さい。はじめは現場の指導者から学び、しばらくしたら改善方法を考えて下さい。すべてのサービスでスペシャリストを目指して下さい。在宅サービスの場合でも基本は同じですが、調理、掃除、洗濯などの生活面での援助が多くなります。チャンス到来です。個々のサービスの質を高めることや時間を短縮することなどをテーマに、常に改善を目指して下さい。 2)人と向き合う利用者はあなたのことを信頼し、頼りにしていますか。判断能力が低下していても、認知症があっても敬意をもって利用者と接していますか。利用者の表情に安心感と笑みがこぼれるように、傾聴技術を磨き、言葉を選んで接して下さい。非言語的コミュニケーションもたいせつにして、一人ひとりの利用者と真正面から向き合う姿勢をもってください。 3)仕事を引き受けるときは愚痴を言わない同じ仕事をするのならば積極的に受け入れることがたいせつです。仕事を頼んだ上司も不快だし、自分自身にも不快感が残るので、頼まれたことは二つ返事で引き受けましょう。職場におけるあなたの評価もきっと上がります。 4)週1日は完オフにする懸案となる仕事があると常時そのことが気になるものですが、週に1回は仕事のことを忘れましょう。趣味があればそれに没頭する。家族サービスをする。スポーツで体を鍛える。友人と食事をして楽しい時を過ごすなどしましょう。完オフがあると頭もリフレッシュして、きっといいアイデアが出ます。当然、ストレス解消にも効果があります。 5)いろいろな資格をもつ介護に関連した資格には、介護福祉士、精神保健福祉士、介護支援専門員、福祉用具専門相談員、福祉住環境コーディネーター、同行援護従事者などいろいろあります。これらの資格取得を目指すことで自らの専門性を向上できますし、就職や転職の可能性が広がります。また、気持ちの上でも余裕が出てくるはずです。 6)悲しみを共有する介護の仕事では多くの人に会い多くの死に遭遇します。利用者が亡くなったときは喪失感にとらわれることがあります。人の死は最大のストレスであると言われています。親身になってケアしていた利用者が亡くなったときは生前の利用者の話をいっぱいしましょう。そして同僚と悲しみを共有しましょう。人の死は避けられないものです。悲しみを抜けたら自分に残された人生について考えましょう。一分一秒の大切さを知ったのですから。 自己再生力を信じる〜疲れたときは徹底して休む〜社会福祉士の勉強をしていたときに森田療法に出会いました。森田正馬(まさたけ)氏は1920年の生まれです。人には「生の欲望」があり、心身のバランスを崩してもその欲望が再生の力になるというのが基本理論です。森田療法の現代における評価はともかくとして、精神のバランスが崩れてもバランスを取り戻す再生力が誰にでもある。それを信じることはとても大切なことだと思います。人の人生には何回か危機が訪れるものです。精神的に限界を感じたときは、休暇を取りましょう。そして、寝られるだけ寝ましょう。寝られない場合は精神科にかかりましょう。眠れる薬を処方してくれます。バランスが戻ってくるまでにかかる時間は人それぞれですが、自己再生力を信じることです。自分自身の中に力がみなぎってくるまで怠惰に過ごすことが重要です。そして、力がある程度戻ってきたと感じてから今後のことを少しずつ考えてみましょう。信頼できる友人や先輩がいれば相談に乗ってもらうのもいいでしょう。
4.人生哲学をもつ〜仕事を含めて自分流の生き方を考える〜/仲間をつくる〜人から学ぶことは多い〜
1.はじめに/介護職という仕事 |
|||||||
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |