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No.9 職場復帰支援をめぐる昨今の動向と対策

京都文教大学・神田東クリニック島 悟
イラスト 内藤あゆみ


1.はじめに

職場のメンタルヘルスにおいて、職場復帰支援は概して困難な課題です。職場では、職場復帰後は労働者が休業に入る前と同等の業務遂行能力を期待する場合が多いわけですが、病状によっては従前通りに働けないこともあります。また職場の関係者は、復職したということは「治った」ということを意味すると考える傾向があり、再燃・再発により再び休業しますと、「折角みんなで支援したのに、その期待に反した」として、上司や同僚は、労働者本人や主治医、あるいは産業医などに疑念や怒りを持つこともあります。

そもそもメンタルヘルスの状態が、身体疾患や外傷のように可視化が困難なために、当事者自身も周囲の者も納得できるようなエビデンスを示すことができないことが、職場のメンタルヘルス対応の中でも、特に職場復帰支援をめぐって、問題が先鋭化することとなります。職場では、当事者に対して「甘えている」、「病気に逃げている」、極端な場合には「本当に病気なのか」という声があがります。

さて、職場復帰支援について、2004年に厚生労働省は「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」を示しました。多くの職場ではこの手引きを参考にしてきました。2009年3月には、その改訂版が出されています。(詳細は、http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei28/index.html参照してください)。今回の手引きの改訂版を適宜引用しながら、職場復帰支援の課題について述べたいと思います。

2.「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」改訂について

1.はじめに
2.「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」改訂について
3.職場復帰支援が注目されている状況について
4.終わりに

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