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親を頼りにし、一人でいられない思春期の子供たち


東京都教育相談センター 今村泰洋

イラスト フジヒロ ミト


2.「思春期の心理と行動に関する意識調査」

この調査 は、平成18年に都内公立中学・高校生3,494名を対象に実施したものである。調査は、設問T「思春期の心理」(32項目・4件法)と設問U「対処方 法」(20項目・4件法)から成っており、「設問T」については因子分析を施し、各因子得点を算出して思春期の心理をとらえた。「設問U」については、こ こでは省略するが、心配事や悩みがあった時に取る対処方法について尋ねている。

設問1「思 春期の心理」は第1因子「不安・抑うつ感」、第2因子「家族親和感」、第3因子「自己肯定感」、第4因子「攻撃性」、第5因子「友だち友好感」、第6因子 「自暴自棄感」の6因子が抽出された。それぞれの因子得点分布をみると、「不安・抑うつ感」因子(21点満点)は中点10.5点に対し全体平均は13.2 点、とやや高めの山型になった。また、

「自己肯定 感」因子(12点満点)は中点6点に対し全体平均は4.7点、やや低めの山型であった。これらの結果は、思春期であることを考えると予想通りの結果といえ た。さらに、「攻撃性」因子(15点満点)は「自分のやり方を注意されると、反発したくなる」「物事がうまくいかないと頭にくる」等の5項目から構成され ていたが、中点7.5点に対し全体平均は8.1点でほぼ正規分布していた。この調査では、子供たちの自殺など命に関わる事件・事故が後を絶たないことか ら、子供たちの自暴自棄感も見てみようとしていたが、

「自暴自棄感」因子(9点満点)は0〜3点に分布が集中しており、中点4.5点に対し全体平均は3.0点であった。皆が皆「どうにでもなれ」とやけを起こすわけではないと考えられた。

 

 

3.家族を頼りにする思春期の子供たち

1.はじめに
2.「思春期の心理と行動に関する意識調査」
3.家族を頼りにする思春期の子供たち
4.一人でいられない子供たち

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