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毎日新聞論説委員 山路憲夫 3.税から保険への転換 高齢者への介護サービスは1963年に作られた老人福祉法に基づき、社会福祉事業法により実施されてきました。 そのやり方を一言でいえば、かつては特別養護老人ホームへの入所は要介護状態の他に低所得で、介護する家族に恵まれないという厳しい条件が付けられていました。当時は高齢化率が低く、3世帯同居が当たり前で、家族介護でなんとか対応できた時代だったからです。90年代に入ってから入所条件も緩和されましたが、特養ホームになかなか入所できない状況は改善されていません。入所町の高齢者は、介護保険実施前は全国で少なくとも4万人に上りました。供給量が絶対的に少なかったからです。 税から保険方式に転換させた、もうひとつの理由は、少子高齢化の加速でこれまでのような税金だけによるやり方では財政的に持たなくなってきた、という財政上の理由によるものです。 高齢者も含めた40歳以上の人々が、応分の負担をし、寝たきりや痴呆などの介護が必要になった時に、ヘルパーの派遣や施設への入所などの介護保証を社会保険方式でやることにしました。その場合、保険料とともに、利用者は介護サービスを受けた額の1割の利用料を支払うことになっています。介護保険の財源はこうした保険料と利用料だけでなく、公費により半分がまかなわれるのも特徴です。
1.世界一の高齢国へ |
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