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No.8 介護保険の現状と問題点

毎日新聞論説委員 山路憲夫

4.介護保険で何が変わったか

 介護保険がスタートして、何が変わったのでしょうか。

 まずサービスが増えたのは間違いありません。2002年6月現在、要支援・要介護認定者は313万人で、このうち在宅介護サービスを受けている人は172万人、特別養護老人ホームなどの施設にいる人は69万人に上っています。両方合わせた利用者数はスタートした2000年4月時に比べ71%も伸びました。

 訪問介護の利用量は介護保険スタート前に比べ2.3倍、通所介護は2倍近く増えました。介護保険前に比べ、サービス量が減ったという人は17.7%に過ぎません。

 介護保険がスタートする前は、税金によって市町村がサービスを提供し、サービスを提供する対象は、市町村が必要と認めた人に限るという「措置制度」と呼ばれる仕組みでした。その対象者は経済的、家庭的要件により、限られていました。

 介護保険には公費が半分投入されていますが、40歳以上の全員が保険という形で金を出し合い、支え合います。それにより、介護サービスを受ける対象者が措置制度の時代より大幅に増えました。

 当初心配された「保険あってサービスなし」という事態は地域によってばらつきはあるものの、なんとか回避はされました。

 しかし、「走りながら考える」として始まった介護保険はさまざまな問題も出てきているのが現状です。


5.施設から在宅介護サービスの強化を

1.世界一の高齢国へ
2.介護力の低下と福祉行政の立ち遅れ
3.税から保険への転換
4.介護保険で何が変わったか
5.施設から在宅介護サービスの強化を
6.社会的入院の解消を

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