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東京女子医科大学附属女性生涯健康センター 加茂登志子 1)増えるハラスメント相談パワー・ハラスメントに代表される職場の嫌がらせとセクシュアル・ハラスメントは職場における二大ハラスメントである。精神科や心療内科の診療窓口において、両者にまつわり、心身の不調を起こしたとして受診する患者はけして稀ではなくなった。 東京都のケースを参考に、職場のハラスメント相談の現状についてみてみたい。平成19年度に東京都労働局に寄せられた労働相談の総数は54669件であったが、そのうち職場の嫌がらせに関する相談は5258件(総数の9.6%)、セクシュアル・ハラスメントに関する相談は2723件(5.0%)に上っている1。また、両者ともその相談件数は年次が上がるごとに増えつつある(図1)だけでなく、総相談件数に占める割合もまた徐々に増加している。 女性雇用者が増えるに従ってセクシュアル・ハラスメントが注目されるようになり、法整備が進むことによってまた相談が増えるというプロセスは想像に難くない。しかし、それ以上にパワー・ハラスメント相談は増えている。そして後者においては男性も女性も等しく被害を受けていることが窺われる。 1)増えるハラスメント相談 |
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