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奈良女子大学生活環境学部教授 清水 新二 4人に1人が親しい人の自死を体験1人の自死者に5人のサバイバーとの言い回しについて上に触れましたが、実際にはどうなのでしょうか。そこで私はある地方都市で、どのくらいの地域住民が家族や親しい友人・知人の自死を体験したことがあるかを、慎重な倫理的配慮を準備した上で問いかけてみました。この地域調査は無作為抽出サンプリングという手法を用いたもので、地域の協力もあって79.2%の高い有効回答率を得た本格的な地域社会調査です。より詳細に知りたい方は、この調査報告書(2004年)を末尾に参考文献としてあげておきましたのでご参 その結果、24.7%の住民(50〜64歳男女)が体験ありと回答したのです。この数値には私自身少なからず驚きました。この地域は自殺統計の事前検討から、自死者が特に多い地域ではないことが判っていたからです。にもかかわらず、4人に1人の中高年住民が親しい人の自死を経験しているとなると、コミュニティ・メンタルヘルスの観点からも、放置できない課題ではないかと考えたものです。 もちろん厳密に言えば、「大きな精神的影響」の程度が問題になります。しかし、地域在住の一般住民の方に協力してもらうアンケート調査ではそこまで厳密な「影響」を確認することは諸種の事情で現実には難しいものがあります。しかし先の言い回しがそれなりに根拠のあることを窺わせるに十分な結果でした。 自殺者3万人時代 |
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