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山梨県立精神保健福祉センター・山梨県中央児童相談所 近藤直司 3.社会的ひきこもりの精神医学的背景社会的ひきこもりの状態をきたしている人には、その原因、ないしは一因として、何らかの精神症状や心理状態、あるいは特徴的なパーソナリティ特性や生来的な発達特性がみられます。社会的ひきこもりは、たとえば以下のような状況で生じています。 □幻聴や被害妄想などの精神病症状によって対人関係からひきこもっている。 これらの問題は、精神医学的には統合失調症や気分障害、不安障害、パーソナリティ障害(ないしは傾向)、精神遅滞や広汎性発達障害などの診断カテゴリーに分類されます。また治療・援助方針としては、薬物療法が必須なものやある程度の効果が期待できるもの、もって生まれた知的能力や発達上の特性(得意なことと不得意なこと)を考慮して支援すべきもの、根気強い心理療法的アプローチが重視されるものなどに分類することができます。 また、ご本人が医療・保険・福祉サービスを求めている場合とそうでない場合とでは、援助の難しさはかなり違ってきます。こうした多様性を認識しながら多くの治療・援助実践を積み重ねることによって、個々のケースに合った治療や援助が選択できるようになってゆくものと思われますし、新たに必要なサービスを検討することもできるでしょう。 1.はじめに |
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