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No.7 青年期のひきこもりと家族

山梨県立精神保健福祉センター・山梨県中央児童相談所 近藤直司


5.ひきこもりと家族

 また、2003年に実施された調査によれば、全国の保健所・精神保健福祉センターにおいて電話または来所相談として受けた「統合失調症などの精神病圏の疾患、または中等度以上の精神遅滞をのぞいたひきこもりと考えられるケース」14069件のうち、「家庭内暴力を示すもの」が19.8%、「器物破損や家族への拒否など、家族関係の調整・支援が必要なもの」が40.4%にのぼりました。

このことから、ひきこもる若者と家族との関係が、しばしば緊張に満ちたものであることがわかります。そして同時に、今日的なひきこもりの問題は家族との生活、ないしは家族の支援なくしては成立し得ない問題でもあります。次に、子どもを自立させるという家族の機能、あるいは、ひきこもる本人と家族との間に、どのような事態が生じているのかを考えてみたいと思います。

6.「橋渡しシステム」としての家族

1.はじめに
2.ひきこもりケースの現状
3.社会的ひきこもりの精神医学的背景
4.社会的ひきこもりの文化・社会的背景
5.ひきこもりと家族
6.「橋渡しシステム」としての家族
7.家族支援の考え方と「自立を支える」こと

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