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日本大学亀山晶子 坂本真士 職場の人間関係の変化とメンタルヘルス職場環境の中でも、特に職場の人間関係は社員のメンタルヘルスに重要です。しかし、厚生労働省による2007年の労働者健康状況調査では、職場の人間関係の問題に強い不安、悩み、ストレスが「ある」と回答した人は、2002年時の35.1%から2007年時には38.4%に上昇しています。つまり、近年ますます職場の人間関係の問題に悩まされる社員が増えていると言えるでしょう。 このような職場の人間関係の問題が増加する背景には、近年の社員における会社や職場の人への信頼の低下が考えられます。2007年の産業人メンタルヘルス白書では、1980年代前半に比べ、年々社員の会社や職場の人への信頼が低下していることが報告されています。例えば、「会社の最高経営層に信頼感を持っている」と、1982年には55%が答えているのに比べ、2002年には33%まで低下しています。また、「職場の人はみんないい人だ」と、1982年には63%が答えているのに比べ、2006年には46%まで低下しています。その他、「自分の思ったことをすなおに他人に話せる」と、1984年には60%が答えているのに比べ、2006年には44%まで低下しています。このように、近年の社員における会社や職場の人への信頼は年々低下していると言えるでしょう。 この会社や職場の人への信頼の低下は、今後ますます増えることが示唆されます。同白書によると、この信頼の低下には世代差があることが報告されています。つまり、50歳代以上は会社や職場の人への信頼が高いのですが、30歳代以下では低いことが示されています。この30歳代以下の低信頼の世代が今後増加していくことで、互いを信頼し合えない社員が職場に多くなることが予想されます。そして、その結果ますます職場での人間関係の問題が多くなると言えます。 社員が互いに信頼し合えないことは、職場の人間関係を悪くするだけでなく、職場での助け合い(ソーシャル・サポート)にも影響してくると言えます。そこで以降、社員のメンタルヘルスに影響する職場のソーシャル・サポートについて述べていきたいと思います。 はじめに |
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